Natsuki Nagagaki
長垣 夏希
Statement / Profile
テラリウムが鼓動する
私はクラス替えのない学校に通っていた。
ひきこもりは全国で推計約146万人いる。その個々人の要因と背景は様々であり、ひきこもるという状態の底にある姿に一つの名前を与えることは難しいと実感する。今作ではひきこもりの地域性について焦点を絞り、制作した。
過疎地域では人口減少・少子高齢化が続き、公共交通機関が発達していない為に幼少期から成人するまでの人間関係や行動範囲は狭く限られ、変化しづらい。また、土地と人との結びつきが強く、代々家を受け継ぎ同じ土地に住み続ける。これらの要因から少数の人間関係が固定され、過疎地域で営みを持つ人間には匿名性がない。
現代において人はライフステージの変化と共に、所属するコミュニティも変遷し、多様になる事が一般的である。しかし、この過疎地域において、これらが変化する事は極めて少ないと言える。その事から、個人の興味の対象は自分以外の誰かに強く執着する傾向にあり、上記で述べた匿名性を個人が持たないという事になる。それらが要因となり閉鎖的空間に拍車がかかり、外の世界との隔絶を選択する。
インターネット中心の現代において、この匿名の誰かという言葉をよく耳にする。しかし一部の地域では、個人の情報は瞬く間に拡散され閉鎖的世界の中で循環している。私たちは慎重に情報に触れ、発信し、誰かを理解しなければいけない時代に身を置くのかもしれない。
長垣 夏希 Natsuki Nagagaki
写真家。1996年徳島県生まれ。2023年日本写真映像専門学校 フォトファイン学科 卒業。写真塾Atelier Ricken Backer所属。大阪を拠点に写真家として活動中。その傍ら、ひきこもりの当事者団体に自身の経験をもとに協力している。作品制作ではひきこもりをテーマとし、私達が在る世界の立ち位置を模索する。
受賞歴
- 2023年
- 日本写真映像専門学校卒業制作展 学校長賞 受賞
展示歴
- 2023年
- Wonder Foto Day Fukuoka 2023 出展
- Atelier Ricken Backer Second Exhibition グループ展 出展
- 2024年
- 第四回ふげん社写真賞ノミネート作品展 出展
- Atelier Ricken Backer Fourth Exhibition グループ展 出展
- 2025年
- KG+2025 Atelier Ricken Backer Fifth Exhibition グループ展 出展
- Atelier Ricken Backer Sixth Exhibition グループ展 出展